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乳幼児の医薬品誤飲を防ぐための薬剤師の先生からのコメント
医薬品の誤飲事故は毎年誤飲原因の上位を占め、後を絶ちません。
医薬品には向精神薬、血圧降下薬、血糖降下薬など乳幼児にとって危険な薬効を持つものが多くあります。成人の薬用量の1錠は、乳幼児では何倍もの用量にあたるため、医薬品の誤飲は重い中毒症状を呈することもあります。また、向精神薬を服用し、ふらつきで転倒する可能性などもあり、医薬品の誤飲には他の原因物質による誤飲とは異なる様々な危険を伴います。
■2018年度
家庭用品等の小児の誤飲事故のべ報告件数割合
医薬品の誤飲は乳幼児に起こる重大な事故の一つです。平成24年度、公益財団法人 日本中毒情報センターに医薬品誤飲事例として寄せられた報告のうち、重症化による入院例は、向精神薬14/133例、気管支拡張剤2/33例、血圧降下剤2/8例でした。1)
国立成育医療センターを例に取ると、平成26年(10ヵ月間)に、国立成育医療研究センターの救急を受診した患児症例5883例中、誤飲は481例でした。誤飲したもののうち、医薬品誤飲は23例(1~2歳が18例)を占め、胃洗浄および6日入院を要した例もありました。向精神薬の誤飲は6例で、ご家庭内で祖母の睡眠薬は枕元に置くことにしていたために幼児が誤飲した例など、防げるはずの事例もたくさんありました。
これらの報告例はごく一部にすぎません。保護者の中には、医薬品の誤飲事故が起きていることや、起こった場合の対処法・相談先などを知らない方が多くいらっしゃいます。また、事故の状況を見ると、「机の上なら届かないだろう」「冷蔵庫の中なら取れないだろう」など、実際には多くの事例で、乳幼児の手の届く範囲に医薬品が置かれています。
医薬品誤飲を防止するには、それが起きて当たり前であることを前提に考えた注意喚起が必要です。
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消費者安全法第31条第3項に基づく事故等原因調査報告書
―子どもによる医薬品誤飲事故―(消費者安全調査委員会)
平成26年12月19日
医薬品誤飲を防止するには、保護者に対する具体的な注意が必要です。
<保護者に伝えたい注意点>
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- 医薬品を服用後そのまま放置せず毎回片付ける。
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- 医薬品を高さ1m以下(冷蔵庫内を含む)の場所に保管しない。
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- 幼児が開けられない容器(食品パックなど)にしまう。
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- 幼児の前で服用するところを見せない。