世界中で何百万人にも及ぶ、幼児期にB型肝炎ウイルスに感染した小児の4人に1人が、青年に成長するまでに肝癌や肝硬変が原因で亡くなってしまうといわれています。しかしこの統計結果も間もなく過去のものとなります。チェコのプラハで開催されたヨーロッパ肝臓学会(EASL)にて、すばらしい研究結果が発表されました。今回発表された小児に対するグラクソ・スミスクライン(本社:ロンドン)のB型慢性肝炎治療薬「ゼフィックス」(一般名:ラミブジン)の有効性と安全性のデータは、同剤の高い忍容性を示唆するものと考えられます。
その研究結果によると、「ゼフィックス」を1年間投与することによって、小児患者の4分の1近く(23%)において、B型肝炎ウイルス(HBV)抑制の指標の1つであるComplete
Virologic Response(CVR)が認められ、その結果、これらの小児患者は本剤の投与を終了する事ができました。また、プラセボを投与された患者群のCVRは13%であり、ゼフィックス群が有意に高い値を示しました。なお、この試験結果は、成人における1年間のB型慢性肝炎治療の結果と同等の成績です。成人におけるデータでは、「ゼフィックス」投与によってCVRが認められた患者の数は、治療期間が長くなるにつれて増加し、投与開始から4年目の時点では、活動期の肝疾患をもつ患者の4分の3で投与を終了する事ができる状態となりました。これらの新しいデータは、小児においても同様の症状改善のパターンが認められる可能性があることを示唆しています。また、重要な事としては「ゼフィックス」に対する感受性が低下した変異ウイルス(YMDD変異ウイルス)が認められた18%の患者においても、同剤を使用した治療は有益であることが確認されました。
ヨーロッパでこの試験を進めたブリュッセル、ルーバン・カソリック大学のエティエンヌ・ソーカル教授は次のようにコメントしています。『B型肝炎ワクチン接種プログラムが世界中で広がり、成果をあげてはきましたが、今だに小児におけるHBVへの感染は深刻な問題として残っています。これは、特にアジア太平洋地域に住む人々、もしくはその地域の出身である人々にいえることです。そこでは何百万人もの子供がB型肝炎ウイルスのキャリアであり、また多くの新生児がそのウイルスに感染しているといわれています。この研究結果は「ゼフィックス」のウイルス抑制における優れた効果をはっきりと証明しています。同剤をわずか1年間使用した結果、治療した患者の4分の1、また活動期の肝疾患を持つ患者の3分の1において、活動性慢性肝炎からの治癒が見られました。同試験のプラセボ群での改善率は患者全体の13%、または活動期の肝疾患を持つ患者の16%でした。また、「ゼフィックス」は非常に忍容性が高い経口剤であり、このような安全性に関するプロフィールは小児の治療において特に大きな意味をもちます。』
この国際的な大規模臨床試験は、2歳から17歳までの小児のB型慢性肝炎患者286人を対象に実施されました。すべての小児患者は試験開始時にはB型肝炎ウイルス抗原(HBe抗原)が陽性であり、HBV-DNAとALT(肝細胞に含まれる酵素の一種であり、肝細胞が損傷を受けると大量に血中内に放出される)の値が、少なくとも正常値の1.3倍でした。試験では、これら小児患者の3分の1(95人)にプラセボが投与され、残りの3分の2(191人)へ「ゼフィックス(最高100mgまで/日)」を1年間投与しました。同剤を使用した場合にプラセボ群と比べて著しく高いCVRを示したことに加えて、臨床試験では次のような結果が示されました。
日本におけるHBVキャリアは120〜140万人程度と推定されており、そのうち約10%がB型慢性肝炎に苦しんでいるといわれています。B型慢性肝炎の患者の40%は肝硬変や肝癌に移行した結果、死に至ることもあると考えられています。日本では現在、「ゼフィックス錠100」は小児慢性B型肝炎の適応症は取得していません。
世界をリードする、研究を基盤とした医薬品およびヘスルケア企業であるグラクソ・スミスクラインは、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上を企業使命としています。