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グラクソ・スミスクライン、抗がん剤lapatinibに関する新データを発表 |
2006-06-09 |
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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインが2006年6月5日に発表したプレスリリースの日本語訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。
◆フェーズ3試験でのデータによると、lapatinib(海外での製品名: Tykerb 、 以下: Tykerb )はHER2(ErbB2)陽性の進行性乳がん患者のがんの増悪の 進行を2倍近く遅らせる効果を示した。1
◆満たされていない医療ニーズがある乳がんによる脳転移に対して、 Tykerb が 効果を認める予備的結果を示した。2
◆重篤で難治性の再発性・炎症性乳がんに対して Tykerb が効果を示した3 |
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グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下GSK)は、小分子デュアル・キナーゼ阻害剤である Tykerb (一般名:lapatinib ditosylate)に関する大規模無作為臨床試験(フェーズ3)の最新データについて発表しました。この試験データでは、トラスツズマブ(ハーセプチン®)を含むがん治療を行っていたにもかかわらず病態が進行した難治性・転移性のErbB2陽性の乳がん患者に対して、カペシタビン(ゼローダ®)単独と、 Tykerb およびカペシタビンの併用の場合で効果を比較したところ、 Tykerb 併用例の方が、がんの増悪の進行が2倍近く遅くなったことが確認されました。(併用療法:36.9週間〔8.5ヵ月〕 vs カペシタビン単独療法:19.7週間〔4.5ヵ月〕、p=0.00032)1
この試験結果およびその他の Tykerb に関する重要なデータは、米国アトランタで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)において発表されたものです。GSKは米国および欧州において、2006年下半期に Tykerb の承認申請を行う予定です。
Tykerb は、ErbB1 and ErbB2といったチロシン・キナーゼ受容体を阻害する経口の低分子薬剤です。ErbB1 and ErbB2受容体の刺激は細胞増殖に関与し、さらには腫瘍の進行、浸潤、転移に関わる複数のプロセスに関与しています。これら受容体はさまざまなヒトの腫瘍に過剰発現し、予後や生存率の低下に関与しています。
国際的な多施設共同非盲検試験(EGF100151)は、トラスツズマブを含むがん治療を行っていたにもかかわらず病態が進行した難治性・転移性のErbB2陽性の乳がん患者392人を対象に実施されました。中間解析は312人( Tykerb およびカペシタビンの併用療法:160例、 カペシタビン単独療法:161例)の臨床データが含まれます。1
治療中止につながるような Tykerb およびカペシタビンの併用療法に伴う有害事象の発生(14%)はカペシタビン単独の場合(11%)とほぼ同等でした。 Tykerb およびカペシタビンの併用療法の主な有害事象としては、下痢、手足症候群および発疹でした。左心室駆出分画率(LVEF:心電図で検査できる心機能の指標)の20%以上の低下(無症候性)の発生は、併用療法では2.5%でカペシタビン単独では1%以下でした。すべての患者さんは正常値に戻りました。
6月4日(日)に発表されたデータ(発表論文番号:583)では、 Tykerb を用いた治療における低い心事故の発生について示されています。同剤を用いた治療を受けた女性の心機能の分析結果によると、2,812人のうち37人(1.3%)にLVEFの低下(無症候性:33例、症候性:4例)が見られました。
最も多く報告された有害事象は、下痢(グレード3、21%)、疲労(グレード3、16%)および発疹(グレード3、5%)でした。
GSKは病態が増悪するまでの期間を検討した試験で、独立データモニタリング委員会(IDMC)の基準で定められている一定以上の結論が得られたことから、全会一致の決定に基づき、2006年4月に治験被験者の登録を終了しました。
米国ピッツバーグ、アレゲーニー総合病院乳がん科部長、チャールズ・ガイヤー医師は次のように述べています。
「ErbB2陽性の乳がん患者はトラスツズマブによる治療を行っているにもかかわらず結果的に病態が進行してしまうことがあったので、別の方法でErbB2受容体の機能を効果的に阻害する治療法がこれまで求められてきました。これら臨床試験の結果は、 Tykerb が、トラスツズマブでは病態のコントロールができないような症例において、必要とされる重要な選択肢になることを示唆しています。」
GSKのがん領域治療薬開発センターのシニア・バイス・プレジデントであるパウロ・パオレッティ氏は次のようにコメントしています。
「これらの臨床試験結果は、 Tykerb が進行性の乳がん患者さんに対する治療レジメンで不可欠な薬剤となる可能性があることを示しています。世界中で年間100万人以上の女性が乳がんと診断されており、女性のがんとしては一番多いものとなっています。今回ASCOで発表されたデータは、いつの日かがんが慢性疾患として認識されるような、がん治療のパラダイムを変えるためのGSKのがん領域への弛まぬ取り組みを表しています。」
乳がんに伴う脳転移に対する Tykerb の効果
がんの脳転移は、がん領域において未だ満たされない医療ニーズの存在する部分です。ErbB2の過剰発現や転移性の乳がんに罹患している女性の1/3に中枢神経や脳への転移が見られます。一度この段階まで病態が進行してしまうと予後が悪くなり、平均的な1年生存率は20%程となってしまいます。4 国際的な大規模臨床試験(EGF100151)からの追加分析によると、中枢神経への転移がカペシタビン単独では11例だったのに対し、 Tykerb およびカペシタビンの併用の場合では4例のみでした。1
ASCOで発表されたその他の試験結果(発表論文番号:503)でも脳転移した乳がんに対して Tykerb が有効であるという予備的証拠が示されています。このフェーズ2試験は、米国国立癌研究所のCancer Therapeutic Evaluation Program(CTEP)がスポンサーとなり、ダナファーバー/ハーバードがんセンター、ノース・カロライナ大学およびジョージタウン大学の研究者により実施されました。試験は、トラスツズマブによるがん治療を行っていたにもかかわらず中枢神経への転移を起こしたErbB2陽性の乳がん患者39人を対象に、 Tykerb の効果が検証されました。発表論文に記載されている通り、2名の患者さんにおいて、固形がんの治療効果判定のための尺度であるRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)に定められている部分的反応が見られました。5名の患者さんにおいては16週以上の安定期間が見られました。20人に対して、より立体的に腫瘍の大きさを正確に測定する容量分析が行われ、その内8名(40%)において中枢神経の病変の容量減少(30%以上の減少:5人、15%〜30%の減少:3人)が認められました。RECISTでの判定においては、効果が仮説レベルに達しなかったものの、この試験では Tykerb の効果が中枢神経まで達するという予備的な臨床効果について十分なエビデンスがあるという結論になりました。2
CTEPの臨床試験の有望な結果を受けて、GSKでは現在 Tykerb に関する国際的な大規模無作為試験(フェーズ2)を実施しており、MRIを使って脳の病変の変化をモニターし、 Tykerb 単独療法が、がんの脳転移にどのような効果をもたらすか検証しています。
炎症性乳がん
炎症性乳がんは、特に攻撃的で患者さんに苦痛をもたらす乳がんの形態であり、重篤な副作用を伴い予後も極めて悪いとされています。炎症性乳がんは、がん細胞が胸部皮膚内のリンパ管にブロックされることによって発生するもので、瞬く間に体の他の部位に広がります。炎症性乳がんと診断された患者さんは、平均的に余命3年ほどといわれています。5
ASCOで発表された試験結果(発表論文番号:502)でも再発性・難治性の炎症性乳がんに対する Tykerb 単独療法が評価されています。この試験では、57人の患者さんを、ErbB2 が過剰発現しているグループとそうでないものの2グループに分け、両グループともに Tykerb による治療が行われました。その結果ErbB2 が過剰発現している患者さんの62%(24人中15人)に明らかな臨床効果が見られました。3 この試験でも Tykerb の忍容性は一般的にとても高く、主な副作用は皮膚症状(グレード1)と消化器症状(グレード2)でした。
Tykerb アクセス拡大プログラムの開始
Tykerb は開発中の薬剤であり、現在のところ、世界中のいずれの規制当局でも販売承認は取得していません。しかしながら、現在得られている臨床データから判断して、今の開発段階において、限られた患者さんの治療に Tykerb を使いたいと願う医療従事者が存在することから、GSKはFDAとの協議・合意の結果、カペシタビンとの併用療法として、 Tykerb のアクセス拡大プログラムを開始することとしました。GSKは目下、このプログラムに参加する施設の登録を行っています。
進行したもしくは転移性の乳がんの患者さんで、これまでアントラサイクリン、タキサン系抗癌剤およびトラスツズマブを含む治療を行っていて Tykerb の臨床試験に登録していない患者さんはこのアクセス拡大プログラムの参加資格があるかもしれません。参加条件および登録またこのプログラムに関する詳細についてはこちらのアドレス(breastcancereap@gsk.com)まで、また参加希望の患者さんは主治医の先生にご相談ください。
Tykerb について
Tykerb は、乳がんおよびその他固形腫瘍の治療剤としてGSKによって開発された経口の抗がん剤です。GSKは、同剤に適切に反応する患者群をより正確に同定するのに、ファーマコジェネティックスを含め最新の科学技術を駆使しています。GSKは米国および欧州において、2006年下半期に Tykerb の承認申請を行う予定です。同剤はすでに、ErbB2の過剰発現が見られ、従来の治療が無効だった難治性・転移性の進行した乳がんの治療剤として、米国FDAより迅速承認が付与されています。
Tykerb (一般名:lapatinib)はGW572016と表示されることもあります。
Tykerb は開発中の薬剤であり、現在のところ、世界中のいずれの規制当局でも販売承認は取得していません。
「ハーセプチン®」は米国においてはジェネンテック社、また欧州においてはロシュ社の登録商標です。
「ゼローダ®」はロシュ社の登録商標です。
生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。
References
1.Late breaking clinical trial presented at The 2006 ASCO Annual Meeting, 3 June 2006. 2.Abstract #503 - Phase II trial of lapatinib for brain metastases in patients with HER2+ breast cancer.
3.Abstract #502 - EGF103009, a Phase II trial of lapatinib monotherapy in patients with relapsed/refractory inflammatory breast cancer (IBC): Clinical activity and biologic predictors of response.
4.R. Weil et al. Breast Cancer Metastasis to the Central Nervous System. American Journal of Pathology. 2005;167:913-920.
5.National Cancer Institute.
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