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プレスリリース

見逃された“うつ”の実態
-ベンゾジアゼピン系抗不安薬服用者の約3割がうつ病またはうつ状態-

2005-09-14

  グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:マーク・デュノワイエ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、この度、不定愁訴(原因のわからない身体の不調)を訴える患者さんに潜む「うつ」の実態を明らかにするために、インターネット上で一般対象116,796人にアンケート調査を行いました。
その結果、抗不安薬を長期間服用している不定愁訴の患者さんの約3割がうつ病またはうつ状態(8.8%が大うつ病、20.1%がうつ状態)である実態があきらかになりました。

この調査はベンゾジアゼピン系抗不安薬を1カ月以上継続して服用している患者さんの内、精神科・心療内科からの処方およびうつ病・うつ状態の治療として処方されている症例を除いた429例(男性:206例、女性:223例)に対してうつ病のスクリーニングを行い得られた結果です。

今回の調査結果により、主に以下の点が明らかになりました。

■ベンゾジアゼピン系抗不安薬を長期間服用している患者さんの約3割に「うつ」が潜む
現在の診断名は何かとの質問に対し、自律神経失調症(24.1%)と回答した方が最も多く、以下、不眠症、パニック障害、不安神経症、神経症、更年期障害、心身症等と続いています。その患者さんに精神疾患簡易構造化面接法である、M.I.N.I(The Mini-International Neuropsychiatric Interview)の内容を自己チェック式として用い、DSM-IVの大うつ病性障害の診断基準に該当するか否かを確認したところ、8.8%が大うつ病、20.1%はうつ状態であり、合計で約3割の患者さんにうつが認められました。これは対症療法を続けることで不定愁訴を訴える患者さんのうつを見逃がしてしまう恐れがあることを示唆しています。

■うつ病患者さんは抑うつ気分や意欲の低下などの精神症状を医師に伝えない傾向がある
抗不安薬を服用したきっかけとしては、不眠(46.9%)、不安(35.9%)、動悸(24.9%)、めまい・ふらつき(23.3%)、頭痛(22.1%)、憂うつ(20.7%)、息苦しさ(18.6%)、肩こり(18.4%)、だるさ・疲れ(17.5%)など、初診時に身体的な自覚症状を訴えている方が大多数でした。うつ病患者さんの主訴として、身体症状については患者さん自ら訴えるが、抑うつ気分や意欲の低下などの精神症状については患者さんから訴えるケースが少ないとの報告1)もあり、これらがうつ病の発見を遅らせる一つの原因と言われています。
患者さんは、抗不安薬を服用しても症状が改善されない場合は、「毎日気分が落ち込む」、「何をしても楽しくない」などの精神症状の有無を自らチェックし、うつ病の可能性がないかどうか医師に相談することも大切です。

■抗不安薬の服用期間は平均4.2年と長期間に及んでいる
現在の抗不安薬の服用期間について、6〜9年と回答している方が最も多く(21.9%)、平均服用期間は4.2年でした。うつ病は、早い段階に適切な治療を受ければ、治る病気です。しかしながらうつが見逃されたまま重症化してしまうと治療に難渋すると言われています。抗不安薬の長期服用により、うつがマスクされることが示唆された今回の調査結果からも、不定愁訴の患者さんはうつ病の可能性についても医師と話すことが、初期段階でうつ病を発見するためにも重要でしょう。

今回の調査を監修した東邦大学医学部心身医学講座 教授 坪井 康次先生は、『様々な身体症状を訴える患者さんがうつ病だと気付かず、対症療法として漫然と抗不安薬が処方されているケースは少なくありません。今回の調査はまさにその実態を浮き彫りにしており、不定愁訴患者さんを診察する際には、器質的な疾患の精査はもちろんのこと、見逃されているかもしれないうつ病を念頭に置くことの重要性を改めて示唆する結果となりました。抗不安薬の長期使用への警鐘およびプライマリ・ケア医におけるうつ病の適正診断、適正治療の推進が急がれます。また、患者さんも受診される際は精神的な症状も含め医師に伝えることが大切です。』とコメントしています。

<参考>

本調査について
【目的】ベンゾジアゼピン系抗不安薬を長期に服用している患者さんにおける、うつ病・うつ状態の実態を調べる
【対象】ベンゾジアゼピン系抗不安薬を1カ月以上服用している患者さん(精神科・心療内科からの処方、及びうつ病・うつ状態の治療として処方されている場合を除く)
【方法】インターネット上でM.I.N.I精神疾患簡易構造化面接法の内容を自己チェック式として使用し、DSM-IVの大うつ病性障害の診断基準に該当するか否かを確認。診断基準を充たした群を「うつ病」、診断基準は充たさなかったが、うつ症状の項目に該当した場合を「うつ状態」とした

不定愁訴とは
不定愁訴とは、あいまいで不定の多彩な症状が持続するが、身体医学的には異常所見がみられず説明のつかない病態を包括した概念で、自律神経失調症とほぼ同義的に使用される(坪井康次:心療内科, 9(2) : 117-123, 2005より)

DSM-IVとは
DSM-IVとは、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断・統計マニュアル』(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の第4版である

1)プライマリケアのためのうつ病診断Q&A、金原出版:1997

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