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うつ病・双極性障害(躁うつ病)休職者の
復職対策についてうつ病・双極性障害

うつ病と双極性障害の復職は、休職者、人事労務管理スタッフ、事業者、管理監督者、主治医、産業医が一丸となって

増加するメンタルヘルス不調による休職者

厚生労働省が2014年6月に発表した「平成25年度脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」によると、精神障害の労災請求件数は前年度比152件増の1,409件と過去最多を示しています(※1)。また、事業所単位の調査では、メンタルヘルス不調を抱えている正社員がいる事業所は全体の6割を超え、1,000人以上の従業員を持つ企業では、不調者のいる事業所が7割以上と増加傾向を示しているという報告もあります(※2)

メンタルヘルス不調の中で最も多い疾患はうつ病です。うつ病は、憂鬱やイライラ・やる気がでないといった心の不調や、不眠・食欲不振・めまいなどの体の不調を生じる病気です。厚生労働省が平成21年6月に発表した資料によると、日本人の16人に1人は一生のうちに一度はうつ病にかかる可能性があり、女性は男性の2倍以上もうつ病になりやすいといわれています(※3)

厚生労働省は、うつ病や自殺が無くなった場合の経済効果は年間で約2兆7千億円、またGDPの引き上げ効果は1兆7千億円にもなると試算しており(※4)、企業や社会にあたえる損失は、非常に大きなものと考えられています。また、うつ病や自殺が無くなることによって得られる経済効果の7割は「稼働所得の増加」、すなわち社員が健やかに働けることによって雇用者所得、事業所得などの増加がもたらされるとされています。
したがって、うつ病に代表されるメンタルヘルスへの職場対策を充実させることは、当人はもちろんのこと、企業や社会にとっても大きな価値をもたらすものと考えられます。

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見落としがちな双極性障害(躁うつ病)(※5)

うつ病と区別がつきにくい双極性障害(躁うつ病)という病気があります。双極性感情障害、双極症と呼ばれることもありますが、ここでは厚生労働省の表記にならい、「双極性障害」と表記します。

双極性障害は、躁状態の程度によって2つに分類されます。躁状態が比較的軽度で睡眠時間が短くてもバリバリと仕事ができ、アイデアも次々と湧いて、自分に自信が持てるといった「軽躁状態」が起こることを双極II型障害といいます(双極性障害II型、双極性II型といった呼び方をすることもあります)。この場合、軽躁状態を「いつもより好調な状態」と誤解することも多いようです。

しかし、躁状態がひどくなると、非現実的なアイデアを脈絡なく次々に話す、集中力が無くなってミスが増える、上機嫌と不機嫌の波が激しいといった性格の変化だけでなく、馬鹿げた買い物や投資・ギャンブルなどに多額のお金を使ったり、無分別な性的関係や暴力行為といった問題行動を引き起こしたりします。こうしたひどい躁状態が起こることを「双極I型障害(または、双極性障害I型、双極性I型)」といいます。

このように双極性障害は、うつ状態では「死にたい気持ちになる」といった生命の危機がもたらされ、一方、躁状態では行動によって社会的生命の危機がもたらされるため、活動性が低下するうつ病よりも、人生を大きく損なってしまう危険性が高く、注意が必要といわれています。

また、双極性障害の場合は、一見症状が出なくなったように見えても治療を続けないと、再発してしまいます。労働損失日数も、うつ病より双極性障害のほうが長くなる(※8)ため、早期からうつ病との鑑別診断を行い、双極性障害に適した治療を行うことが重要です。

双極性障害の治療は、服薬と心理療法の2つを組み合わせて行います。処方される薬は気分安定薬が中心です。常に医師の指示に従って服薬治療を行うよう、心理療法を行い、本人はもちろん、家族や周囲とも共有し、気を配ることが大切です。

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職場復帰に際して企業が注意することは?

職場復帰対策の重要性

うつ病や双極性障害を含むメンタルヘルス不調による休職者は、2008年~2010年の3年間で半数の企業に発生しており、そのうちの4割の方は最終的に退職しているとする報告もあります(※2)
このような現状に対して、企業の9割が生産性の低下や重大事故といったパフォーマンス低下との関連を認識しており、メンタルヘルスや私傷病の治療と仕事を両立させるための課題として「休職者の復帰後の仕事の与え方、配置」への関心が高まっています(※6)

企業活動の根幹となる労働者の休職・退職は企業のみならず社会全体への大きな損失となります。今後は従業員のメンタルヘルスケアと並んで、適切な職場復帰への取り組みが求められています。

メンタルヘルス不調による休業から職場復帰へのプロセス

メンタルヘルス不調により休業している労働者が円滑に職場復帰するためには、休業から復職までの目安をあらかじめ明示しておくことが必要です(※7)
平成24年度に厚生労働省が改訂した「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」には、休業した方が職場に復帰するための5つのプロセスが示されています。企業と休業者の双方がこのプロセスを理解し、休業から復職に至るどのステップにいるのかを認識することが、職場復帰への第一歩となります(※7)

メンタルヘルス不調による休業から職場復帰へのプロセス
ステップ 職場復帰支援の流れ
第1ステップ病気休業開始及び休業中のケア
病気休業開始及び休業中のケアの段階
  • 労働者からの診断書(病気休業診断書)の提出
  • 管理監督者によるケア及び事業場内産業保健スタッフ等によるケア
  • 病気休業期間中の労働者の安心感の醸成のための対応
  • その他
で構成される。
第2ステップ主治医による職場復帰可能の判断
主治医による職場復帰可能の判断の段階
  • 労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記された診断書の提出
  • 産業医等による精査
  • 主治医への情報提供
で構成される。
第3ステップ職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成の段階
  • 情報の収集と評価
  • 職場復帰の可否についての判断
  • 職場復帰支援プランの作成
で構成される。
第4ステップ最終的な職場復帰の決定
最終的な職場復帰の決定の段階
  • 労働者の状態の最終確認
  • 就業上の配慮等に関する意見書の作成
  • 事業者による最終的な職場復帰の決定
  • その他
で構成される。
職場復帰
第5ステップ職場復帰後のフォローアップ
職場復帰後のフォローアップの段階
  • 疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認
  • 勤務状況及び業務遂行能力の評価
  • 職場復帰支援プランの実施状況の確認
  • 治療状況の確認
  • 職場復帰支援プランの評価と見直し
  • 職場環境等の改善等
  • 管理監督者、同僚等への配慮等
で構成される。

(「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き~メンタルヘルス対策における職場復帰支援~」平成24年度 厚生労働省 より作表)

各ステップにおける注意点(※7)

上記プロセスを踏まえた上で、下記のような注意点についても押さえておきましょう。

第1ステップ 病気休業開始及び休業中のケア

休業治療は主治医が「〇カ月の休業治療が必要」と記した診断書によって開始されます。この時期には、患者さんが安心して治療に専念できる環境を作ることが重要です。休業中の経済的な不安や復職への懸念を軽減するために、傷病休暇制度などの社内制度や公的支援制度に関する情報を本人や家族に説明しましょう。また、休職中にも必要となる諸手続きの窓口を設け、休職者が治療に専念できる体制を整えましょう。

第2ステップ 主治医による職場復帰可能の判断

職場復帰に際しては休職者の復帰の意志表示と、主治医による職場復帰可能の診断が前提となりますが、主治医による診断は主に日常生活における病状の回復にもとづくもので、必ずしも休職者の職場状況や必要とされる業務遂行能力を踏まえた判断でないこともあります。そのため、職場復帰の可否については、職場の現状、職務内容などを踏まえ、個々のケースに応じて、産業医等が総合的に判断することが必要です。
職場復帰にあたっては、まず休職者自身が十分な意欲を示していること、さらに生活のリズムが安定していることが大切です。その上で、就業可能な回復レベルに達しているかどうか、基準を設けて判断するのがよいでしょう。

第3ステップ 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

産業医を中心として主治医、産業保健スタッフ、人事・労務担当者、所属上長などが治療経過や病状、職場との適合性などを検討し、休職者との面談なども行い、職場復帰可能と判断されれば職場復帰支援プランを作成します。
職場復帰支援プランの作成に当たっては、職場復帰日のほかに、業務内容や業務量の変更、残業・交替勤務・深夜業務等の制限または禁止、軽減勤務、通院のための外出許可などの管理監督者による就業上の配慮、配置転換や異動、フレックスタイム制度や裁量労働制度などの人事労務管理上の対応、産業医等による医学的見地からみた意見、フォローアップの方法、試し出勤制度の活用などについて確認・検討を行います。

第4ステップ 最終的な職場復帰の決定

職場復帰の最終的な判断を行うのは企業です。職場復帰が決まったら、休業者の状態の最終確認、就業上の配慮等に関する意見書の作成を行い、社内手続きに従って適正に進めます。

職場復帰についての企業の対応や就業上の配慮については、休職者を通じて主治医にも的確に内容が伝わるようにしておくことが大切です。また、主治医との連携には、産業医が中心的役割を果たし、適切に情報共有をしておくことが必要でしょう。

第5ステップ 職場復帰後のフォローアップ

メンタルヘルス不調による休職からの職場復帰は治療のゴールであるとともに、会社での業務遂行を再開するスタート地点でもあります。メンタルヘルス不調は再発の可能性も少なくないため、新しい問題が発生した際、早めに気づき、迅速な対応を取ることが大切です。職場への円滑な復帰と再発予防のために、職場復帰後の経過観察とプランの評価および見直しなどのフォローアップが重要となります。
職場復帰支援プランが計画通りに実施されているか、管理監督者が注意を払うとともに、関係者間の連携を密にとって 職場復帰支援プランの実施状況を定期的に確認しましょう。

うつ病に関する情報を提供しているサイト一覧
  • うつ病リワーク研究会
  • 働く人のメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」
<参考資料>
  1. ※1 「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」平成25年度 厚生労働省
  2. ※2 「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」平成23年度 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
  3. ※3 今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会(第18回)資料2 気分障害について|厚生労働省
  4. ※4 報道発表資料 自殺・うつ対策の経済的便益(自殺やうつによる社会的損失) 厚生労働省
  5. ※5 双極性障害(躁うつ病)|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
  6. ※6 「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」平成25年度 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
  7. ※7 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き~メンタルヘルス対策における職場復帰支援~」平成24年度 厚生労働省
  8. ※8 Kessler et al.,Am J Psychiatry 2006 163,9p1561-8

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