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企業におけるマラリア対策についてマラリア

従業員が海外渡航する前から、マラリア対策を

重症化しやすいマラリアにご注意

マラリアは、マラリア原虫に感染した蚊(ハマダラカ)に刺されることでマラリア原虫が体内に侵入して起こる病気です。2015年のWHO(世界保健機関)の最新の推計によると、マラリアの年間罹患者数は2015年には2億1,400万人のマラリア患者と43万8,000人のマラリア死亡者がいるとされます(※1)。マラリアのリスクがある国への海外渡航者によって国内に持ち込まれる輸入マラリアも問題となっており、日本でも年間100人近くがこれによって発症しているといわれています(※2)

マラリアは熱帯、亜熱帯に広く分布し、特に、サハラ以南のアフリカや南アジア、東南アジア、パプアニューギニア、中南米などで流行がみられます(※2)

日本におけるマラリア報告数は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下感染症法)」施行前の1999年4月以前では、年間50~80人で推移していましたが(※3)、施行後、報告数が増加し、1999年(4月~)112例、2000年154例、2001年109例と年間100例を超えていました(※4)。しかし、2002年83例、2003年78例と減少し、2007年以降も50~70例台で推移しています(※4)

マラリアは、マラリア原虫の種類によって、熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、卵形マラリア、四日熱マラリアの4種類に分けられます(※1)。このうち、熱帯熱マラリアは発症してから24時間以内に治療しなければ重症化し、命にかかわります(※1)。わが国で報告されるマラリアの半数以上が熱帯熱マラリアです(※4)。マラリアに免疫のない日本人が感染した場合、ほぼ100%発熱し、熱帯熱マラリアでは重症化する可能性も考えられており、注意が必要です(※6)

マラリアの種類と特徴
種類 潜伏期※ 発熱パターン 合併症 地理的分布 薬剤耐性
熱帯熱マラリア 7~21日、あるいはそれ以上 毎日、ときに1日複数回 脳症、肺水腫/ARDS、急性腎不全、DIC様出血傾向、重症貧血、代謝性アシドーシス、低血糖、肝障害 サハラ以南アフリカ、南アジア、インドシナ半島、インドネシア、フィリピン、中国南部、メラネシア、南米アマゾン川流域 深刻
三日熱マラリア 12~17日、あるいはそれ以上 初め毎日、その後1日おき 特になし 北アフリカ、中東、アジア全域、メラネシア、中南米 多少問題
卵形マラリア 16~18日、あるいはそれ以上 初め毎日、その後1日おき 特になし サハラ以南アフリカ 殆ど問題なし
四日熱マラリア 18~40日、あるいはそれ以上 初め毎日、その後2日おき 慢性化するとネフローゼ症候群 世界各地に巣状に分布 不明

※予防内服をしていて発症する場合には、2~3カ月と長いことがある。
〈表〉マラリアの種類と特徴:マラリア予防専門会議「日本の旅行者のためのマラリア予防ガイドライン2005年」

【具体的な主な症状】
マラリアを発症すると、悪寒や震えを伴った発熱がみられ、その後38℃以上の高熱が続きます。この時に頭痛や吐き気など、重篤な場合には意識障害がみられることもあります。その後、大量の発汗とともにいったん解熱しますが、マラリアの種類によっては毎日あるいは1~2日おきに発熱を繰り返します。
マラリアに感染しても7~40日間は症状が出ないこともあります(潜伏期)。そのため1週間程度の渡航の場合、現地で発症せず帰国してから発症する場合もあります。

渡航前からマラリア対策を

(1)マラリアの罹患リスク

WHOによると、以下に当てはまる人々は、マラリアへの罹患リスクが特に高いといわれています(※1)

  • マラリアに対する免疫のない旅行者や移民など、マラリアの非流行地域からの渡航者(特に子ども)
  • マラリア(特に重症化しやすい熱帯熱マラリア)に免疫を持たず(もしくは部分的な免疫のみを持ち)、マラリアの流行地域に暮らす子どもや妊婦
  • HIV/AIDSに感染している人

(2)マラリアの予防法

マラリアの予防法には、防蚊対策や予防内服などがあります。

【防蚊対策】
マラリアに対する最も基本的な予防法は、蚊に刺されないための防蚊対策です。徹底的に行えば予防効果が高いことが知られており、マラリア流行地へ出かける全ての人に勧められます。

日常の注意点
  • ①マラリアを媒介するハマダラカが活発に活動する時間帯は日暮れから夜明けまでのため、夕方から夜間にかけての外出はできるだけ避ける(※2)
  • ②やむを得ず外出する場合は、長袖や長ズボン、靴下を着用し、できるだけ肌の露出を少なくする(※2),(※5)
  • ③ハマダラカは、屋外よりも室内のほうが活発に吸血する傾向にあるといわれており、室内であっても防蚊対策をしっかりしておく(※5)
防蚊対策用品
  • ①昆虫忌避剤(虫除け剤)
    虫除けスプレーやローションを使用します(※2)。ただし、日本国内で一般に入手できる防虫スプレーは効き目が弱い(有効成分DEETが12%以下)製品です(※2)。濃度によって虫除け効果の持続時間が異なるため、濃度の低い虫除け剤を使用する場合は、こまめに塗り直す必要があるでしょう(※2)
  • ②殺虫剤
    屋内に残留するタイプの殺虫剤(IRS)をあらかじめスプレーしておくことで、十分な威力を発揮するといわれています(※1)。そのほか、蚊取り線香や電気式蚊取り器を使用し、殺虫剤を適宜散布しておくのも有効です(※5)。ただし、薬剤に耐性を持つ蚊の出現も報告されており、油断はできません(※1)
  • ③蚊帳
    ベッドには蚊帳を使うのがよいとされています(※5)。マラリアの流行地では、殺虫剤を染み込ませた蚊帳(LLIN)が使われています(※1)。LLINには蚊除け効果があり、特に乳幼児のマラリア死亡率を低下させるといわれています(※5)

【予防内服】
防蚊対策の効果は高いのですが、それでも100%予防できるわけではありません。マラリアのリスクの高い地域へ渡航する場合には抗マラリア薬の予防内服が勧められます(※5)

抗マラリア薬の服用については、体質や持病、医療水準などを考慮し、総合的な判断が必要です(※5)。国立医療センターや外務省の医務官、トラベルクリニックといった、しかるべき医療機関に相談しましょう(※5)

なお、抗マラリア薬の予防内服を行っても防蚊対策は必要です。

マラリアから従業員と家族を守るために

海外出張や海外赴任などで、マラリアの流行地域へ従業員が渡航することのある企業では、マラリアから従業員とそのご家族を守るための備えが大切です。その基本は、渡航地域のマラリア流行情報やマラリアの予防法に関する情報を従業員に提供することです。

また、従業員が、万一マラリアと疑われる症状を発症した場合は早期診断、早期治療が必要です(※1)。マラリア流行地域から帰国後、1ヵ月以内に発熱した時は、すみやかに医療機関を受診させましょう(※1)。その際、医師に渡航歴や滞在歴を申告することも忘れずに。

マラリアと診断された場合は、感染した地域やマラリアの種類により、使用する薬剤が異なります(※2)。海外で症状が出た時のことも考え、渡航先の医療事情も確認しておきましょう(※2)
マラリアの予防や診療施設に関する参考情報源を下記に紹介します。

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